そもそもフォントとは
フォントファイル(OTF・TTF)には、文字ごとのベクターのアウトライン、その文字幅、特定のペアの間隔調整(カーニング)、そしていくつかの名前や設定が入っています。文字を入力すると、コンピューターがそのアウトラインを順番に並べていきます。
つまりフォントを作るとは、文字を描くこと、単語が均一に見えるようにスペーシングすること、そしてすべてをパソコンにインストールできるファイルにコンパイルすることの3つです。
文字セットを計画する
- 最低限使えるフォント:A–Z、a–z、0–9 と基本的な句読点・記号。約95文字です。
- 使う言語:欧文ならアクセント付き文字(é、ñ、ç、ã…)を加えます。Affont を含む多くのツールは、基本の文字とアクセント記号から自動で組み立てられます。日本語の場合、Affont のテンプレートはラテン文字とかなに対応していて、漢字は追加文字として1字ずつ加えられます(漢字をひととおりそろえるのは非常に大きなプロジェクトです)。
- 見出し用か本文用か:タイトルやロゴ用のディスプレイフォントは表現豊かでよく、大文字だけでも成り立ちます。読むためのフォントには小文字と丁寧なスペーシングが必要です。
- 追加要素:合字(fi、fl、または独自の組み合わせ)や異体字を入れると、手書き風フォントがより自然な印象になります。
文字を描く
手書き文字から作る場合。太めのマーカーで紙に各文字を何度か書き、いちばん良いものを選びます。均一な光の下でページをスキャンするか撮影し、デザインアプリに配置して、ペンツールや鉛筆ツールで1文字ずつトレースします。ペンタブレットとベクターブラシで直接書くこともできます。
ゼロから作る場合。シェイプとペンツールで文字を組み立てます。まず n、o、H、O を描いて太さとプロポーションを決め、あとはパーツを使い回します。n から h・m・u が、o から b・d・p・q が作れます。
Affont では Affinity 上で描きます。1文字につき1セルのテンプレートに、ベースライン、x ハイト、キャップハイトのガイドが入っています。まだ使ったことがなければ、Affinity でフォントを作る方法をご覧ください。
スペーシングとカーニング
フォントをプロらしく見せるのはスペーシングです。各文字には左右に余白(サイドベアリング)があります。まずこれを、「nnonoonn」や「HHOHOOHH」のような文字列で確かめながら設定します。
そのうえで、AV、To、LT、Yo のように特定のペアがまだ不自然に見えるところにだけカーニングを加えます。Affont では、サンプルテキスト上で文字を隣の文字に向かってドラッグでき、たたき台として自動カーニングも使えます。
実際の文章でテストする
フォントをインストールして、実際に文章を入力してみましょう。「いろはにほへと ちりぬるを」や英語のパングラム(「The quick brown fox jumps over the lazy dog」)、自分の名前、ひとまとまりの段落を、大きいサイズと小さいサイズで試します。1文字ずつでは気づかない問題も、単語にするとすぐに見えてきます。Affont なら送信するたびにフォントがインストールされるので、デザインしながら Affinity でテストできます。
OTF・TTF で書き出す
デザインアプリやほとんどの用途には OTF が最適です。TTF は古いソフトウェアとの互換性がもっとも高い形式です。ウェブサイト用には WOFF2 を書き出します。共有する前に、フォント情報(ファミリー名、デザイナー、バージョン、ライセンス)を入力しておきましょう。
費用はどれくらい?
Affinity は Windows と macOS 向けに無料でダウンロードできます。Affont は $19 の買い切りでサブスクリプションはなく、3台のデバイスで使えます。作れるフォントの数に制限はなく、どれもすべてあなたのものです。
フォントの権利は誰のもの?
あなたです。自分で描いたフォントはあなたの作品なので、商用プロジェクトに使うことも、販売することも、無料で配布することもできます。ライセンス(たとえばデスクトップ使用のみ、またはウェブ使用も可など)を決めてフォント情報に記載しておけば、購入者は何ができるのかがわかります。